トロンボーン吹きの皆様、突然ですが、「息」吐けていますか?
え?息なんて自然に吐けているぞ?
楽器を吹く時は吐かないと吹けないのだから、吐けているに決まっている!
と思ったそこのあなた!
実は、楽器を吹くのに必要な息は、吐くことを意識しないときちんと吐けないのです!
体に残っている空気を吐き切ることが大切
よく楽器の指導で、きちんと息を “吸う” 方法は教えてもらうと思います。
ですが、たくさん吸うには、まず今体に残っている空気を吐き切ることが大事なのです。
きちんと吐き切らなければ、肺に空気が残ったまま上からどんどん空気が入っていくので、吸いたくても吸えない、吸っているつもりでも呼吸が浅い、という事態が起こるのです。
また、“吐く” ことをしっかりと意識する事で、小さな体でも、細い体でも、女性でも、しっかり息がコントロールできるようになり、豊かな音でたっぷり吹く事ができます!
“吸う” ことに意識がいっているうちは、曲のフレーズの冒頭はたっぷりと吸えるのですが、フレーズの途中で息が苦しくなったとき、まだ息を吐き切れていないのに吸ってしまったり、例えば、2小節ごとに吸う癖がついて、フレーズ感が短くなったり、音価が保てなくなったりしてしまいます。
どんなに吸える体でも、肺に空気が残ったままだと正しく吸えないですよね。
“吐き切る” ことを体が覚えると、吐き切るまで吸わなくなり、1フレーズをしっかり一息で吹けるようになります。
トレーニング方法
練習方法は、各ダブルバーまで一息で吹きます。
途中で息が無くなっても絶対に吸わず、音が出なくなってもとにかく吐き続けてください。
音は、pp(ピアニッシモ)で構いませんので、一息で足りるよう、息をコントロールしながら吹いてみてください。
テンポは無理のない設定で大丈夫です。
これは、この小節数を吹き切るのに、どれだけの息が必要なのかを認識するトレーニングです。
このトレーニングをしていると、吐き切る習慣がつくのと、自分の精一杯吸った一息をコントロールする練習になります。
「リップスラー」や「タンギング」も吹きやすくなる!?
そしてもう一つ、“吐く” ことを意識することで、リップスラーやタンギングが吹きやすくなります!
これは皆様よく陥りがちなことですが、リップスラーやタンギングなど、少しコツが必要で、苦手意識のある練習は、とにかく技術に必死になっているので、吐くことを忘れてしまっているのです。
『え、でも音は鳴っているから吐けていますよ!』
と思った方もいらっしゃるかと思いますが、楽器は真空ではないので、息を入れなくても中に残った空気があり、少し圧をかけてあげるだけで中に残った空気が振動して音が鳴ってしまうんですね。
リップスラーやタンギングの時にしっかり吐けていないと、圧力だけで鳴らそうとしてしまうため、余計な力が入ってしまいます。
しっかりたっぷり息を吐いてあげると、余計な力を入れずに済むので、タンギングやリップスラーが思うよりも楽に簡単に吹くことができますよ。
たかが息、されど息。しっかりと吐ききって、新鮮な空気をたっぷり体に入れ、うまくコントロールしながら吐いて、素敵な音を目指してください!
トロンボーン講師 井浪
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