マウスピースの練習って必要!?
『え?マウスピースの練習?』
『マウスピースなんて練習するものなの?』
と思ったそこのあなた!
たかがマウスピース、されどマウスピース。
楽器の基本はマウスピースなのです。
マウスピースを練習すると、
・ピッチが安定しやすくなる
・ミスの原因がわかるようになる
とメリットがたくさんあります。
そしてなにより、ステイホームが思ったよりも長引くこのご時世。
カラオケやスタジオに行くのも憚られる今の世の中、トロンボーンという楽器を選択したことを後悔しそうになるぐらい吹く場所や環境が無い状況でも、マウスピースであればご自宅で練習できますよね?
ちょっとした隙間時間に少しでもマウスピースを吹くことで、楽器そのものを練習するのと同じくらいの唇の筋肉は使うので、久しぶりに楽器を吹いた時にもそこまでブランクを感じることなく、むしろ前より上達したのでは?と思っていただけるようになるのではないでしょうか。
マウスピースの役割
そもそもマウスピースとはどういう役割をしているかというと、マウスピースは人間の体で言う【声帯】の部分です。
風邪などで喉が腫れると上手く声が出ないように、マウスピースを上手くコントロール出来ないと、上手く音が出ないのです。
でも実際は、"音" 出ますよね?
それは、【声帯】を無理やり使って怒鳴っているのと同じです。
無理やり吹けば音は出ますが、かなり損をしています。
『損って何を?』
ズバリ【息】です。
無理やり吹くと言うことは、必要以上の息を入れてしまっています。
マウスピースをマスターして、楽な呼吸で豊かな音が出せるようにしましょう。
マウスピースでコントロール出来るようになると・・・
無駄のない息づかい → ピッチの安定
マウスピースを極めると、息も無駄なく使えるようになります。
それにより、ピッチがかなり安定します。
トロンボーンは楽器の構造上、ピッチを正確にとるのがかなり難しい楽器ですが、ピッチが安定しない原因も【息】にあります。
それぞれの音域や音に合った息を入れることでピッチは格段によくなりますが、どの音域でどれぐらいの息が必要で、どういった唇の形になるのかは、楽器をつけてしまうと、楽器が勝手にある程度補正してしまうので、マウスピースの段階でしっかり確認しておきましょう。
マウスピースだけで正確なピッチが取れるようになると、楽器の補正に頼らず安定したピッチになるので、格段に吹きやすくなり、音色も豊かになります。
苦手箇所の原因究明にも
また、マウスピースで【息】と【ピッチ】が正確にコントロール出来るようになると、自分のミスの原因もすぐに分かるようになります。
例えば、音階の練習でどうしても引っかかってしまう音がある時、闇雲に練習しても上手くはなりません。
何が原因で引っかかり、どう改善したら良いのかを考える必要がありますが、マウスピースをきちんと練習していれば、自分が躓いた原因がすぐに見つけられるようになります。
・口の形なのか?
・ピッチ感のずれから生じるものなのか?
練習方法
練習方法①:息だけで吹いてみる
マウスピースだけで練習するときは、まずはバズィングせずに、息だけを入れてみましょう。
マウスピースだけの練習は、先述した通り、楽器の上達に不可欠な練習ですが、楽器よりも抵抗感が強いので、無理にマウスピースを鳴らそうとしてしまうと、楽器よりも力が入り、息もオーバーブローになってしまいます。
まずは息だけをゆっくり入れてみましょう。
もしかしたらこの時点で音が鳴ってしまう人がいるかもしれません。
その場合は、力みすぎている証拠ですので、息だけをしっかり入れられる程度まで、唇の緊張をほぐして吹いてみてください。
練習方法②:バズィングは強く長く
息だけを入れられるようになったら、今度はバズィングしてみましょう。
この時に注意する点は、【強く】【長く】です。
先ほどの【息の量】をしっかり意識して、それ以上の息は入れないようにしつつ、しっかりとバズィングしましょう。
息だけに頼ったり、息を入れすぎると、か弱いバズィングになります。
息の量はさっきのまま、しっかりバズィングの音が鳴るくらいしっかりと唇を震わせてみてください。
そして、その音をできるだけ【長く】吹いてみましょう。
しっかりしたバズィングでも、長く保たないようであれば、少し力みすぎているか、息を入れすぎています。
しっかり吸った分だけ伸びる長さを意識して吹いてみてください。
【強さ】と【長さ】がバランスよく吹ける吹き方が、正しいバズィングの吹き方です。
練習方法③:音程をとってみよう
しっかりとバズィングできるようになったら、今度は音程を取ってみましょう。
今はスマホにもピアノのアプリなどがあるので、ピアノアプリやチューナーの音が出る機能を使って、鳴っている音と同じ音を吹いてみてください。
楽器のロングトーンと同じように、マウスピースでも、一定の長さで、吹き始めから吹き終わりまでピッチが安定するように、しっかり音程を取ってみましょう。
トロンボーン講師 井浪
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