迷いの中から・・・【バイオリン初心者】

こんにちは。ヴァイオリン講師の橋本です。

現在、私はヴァイオリン講師として、またヴァイオリン奏者として音を出す喜びを伝え、言葉では伝えることの出来ない想いを運ぶ奏者として日々働いています。
仕事がない日は、自分の練習をすることや曲を作ることがほとんどですが、最近は、趣味の時間もとても大切にしています。
これは、どの職業でも同じ事だと思いますが、効率よく、尚且つ糊代を残しながら働くためには、とても重要なことだと思っています。

今回のコラムでは、生徒さんからよくあるご質問や感じたことをいくつかご紹介いたします。

何歳から始めるのが良いですか?

『ヴァイオリンは、何歳から始めるのがいいのか?』
『この年齢では遅すぎるのではないでしょうか?』

といった年齢に関するご質問はとても多いです。

私は常に「始めたいと思った時が一番良い年齢」だとお伝えしています。
もちろん弾きたいと思ったきっかけや目的は皆さん違った理由でしょう。
しかし、年齢よりも大切なことは、ヴァイオリンを大切に思う気持ち、好きだという気持ちが重要だということです。
もし今ヴァイオリンを習いたいけれど、年齢のことで迷っておられる方がいるなら、どうか迷わずヴァイオリンの門を叩いてみてください。
きっと新しい出会いがあります。

音感が無いのですが・・・

次に音感がないと言ったお声も多く受けます。

先ほどの質問と違って、この音感というのは目で見えるものでもありませんし、測定できるものでもありません。
つまり、何をもって音感がないと判断出来るのかと、という指標はないのです。

少なくとも私がこれまでに出会った生徒の中で、音感がないと感じた事は一度もありません。
音楽というカテゴリーにとどまらず、今まで触れてきたもの、見てきたもの、感じてきたもので養われていくと思うのです。

音感に関して心配している方にお伝えしたいです。
どうか、恐れず自分の感覚を発揮してください。
きっと面白い発見があると思います。

ヴァイオリンって高い?

紹介するご質問の最後は、ヴァイオリンの値段に関するものです。
おそらくヴァイオリンは高価なイメージを持っていらっしゃる方が多いと思いますし率直に言いますと、

「はい。値段は高いです。そしてメンテナンスにも費用は必要です。」

というのを必ずお伝えしています。

そもそもヴァイオリンが完成するまでの工程や、どのくらいの時間を費やしているのか、ということも説明しなければなりませんが、ここでは紙面の関係上、割愛させていただきます。

ご理解頂きたいことは10万、20万あるいは30万でもヴァイオリンを大切にし続けるなら、それはその値段以上の価値があるということです。
いくらの値段で購入したかが重要ではありません。
購入したヴァイオリンを友達と思って毎日大切にしてください。ヴァイオリンは応えてくれます。

音楽の目的

最後にお伝えしたいことは、これはヴァイオリンだけではなく音楽全てに言えることです。

老若男女問わず、誰の心の中にも音を奏でる力は備わっています。

皆さんは、音楽の目的や何の為に音楽が存在しているのかを考えた事はありますか?
歌う事、楽器を奏でる事が難しい事と思っていませんか?

確かに簡単ではないかもしれません。

しかし必要以上に難しくさせているのは、私達の持つ経験や考えなのです。
音楽の価値が発揮されるとき、誰かと比較することや争うことは必要ありません。

もちろんそれがお互い高め合うことになるのなら良い事だと思います。

しかし以前、私は音楽の目的が分からないまま演奏していた時期がありました。
ゴールを目指して必死に練習して、そこに到達できたらまた次のゴールを目指し、と言った繰り返しですが、ゴールが見えなくなると道に迷ってしまい、結局何の為に、誰の為に弾いているのか分からなくなっていたのです。

私よりもはるかに色々な経験をした人達や、色々なコンクールに出ていた人達が燃え尽き症候群になっていくのを見て、学生の時にはヴァイオリンを手放したこともありました。

そんな私が今では音楽の存在する意味や誰の為に音楽が存在するのかを知り、五線譜だけでは表現できないことを生み出す喜びを感じています。

想像してみてください。
音楽の目的とは何か、音楽が何のために創られたのかを。

あるいは、音楽がない世界を想像出来るでしょうか?
もし迷いの中にいるのなら、お一人お一人の道しるべとなれるようサポートさせていただけたらと想います。

ヴァイオリン講師 橋本

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