こんにちは。ヴァイオリン講師の橋本です。
今回ご紹介するのは、発表会前などに生徒さんからよく耳にする「人前で弾くのが嫌。緊張する。」ということについて触れたいと思います。
緊張すること
日頃、私達が練習する場所は、自宅やスタジオの中だと思います。
もちろんその環境は舞台の上とは異なりますので、本番は緊張して当然だと思います。
しかし緊張すること自体は悪い事とは限らないと私は考えています。
人前で演奏するときは、手も震え、場合によっては足も震える方もいると思います。
良い演奏をしたい、そして間違えないように弾こうとする思いは、決して悪いことではありません。
大事なのは、そう思っている自分を否定せず逃げず、その気持ちを素直に受け入れ大事に思ってあげてほしいと思います。
楽器を弾くという奇跡
私が学生の時、緊張することがとても嫌で逃げたいという思いがありました。
演奏に評価もつくので本当に緊張しました。
そしてその時は楽しむという事も忘れていましたが、人前で弾く機会が増えるたびに、その意識は変わりました。
それは、プロであってもアマチュアであっても同じ事だと思いますが、まずは楽器を手に取っている喜びを感じる事が大切だということに気づいたのです。
楽器を持ち、音を奏でる事ができるというのをごく自然に当たり前のように考えてしまいがちですが、私は奇跡だと思っています。
「ユバル」という奏者が、初めて楽器を弾く者の祖先となったと記してある書物がありますが、何十年何百年以上も前から人々が弾き続けている楽器を、現代の私達が手に取り奏でる事ができるのは素敵な事だと思いませんか?
時代が変わっても音を奏でるということは何も変わっていないのです。
それほど音楽を聴くこと、奏でることが大切にされ続けてきたのです。
信じること
私はこれまでに生徒さんのための発表会で沢山の奇跡を見てきました。
本番の時にしか働かない力もあり、それは私や生徒さん自身も想像していなかった音を出す事もあります。
私はそのとき人間の持つ可能性や集中力だけでなく、楽器のほうからも答えてくれる事があるという事に感動をするのです。
その奇跡の形はそれぞれ違いますし、いつそれが表れるかも分かりません。
しかし、緊張することから逃げずに向き合うことによって、必ず私達の心は変えられると信じています。
そして、これまでに何度か、舞台の上で失敗して辛い思いをしたという方は、その辛い思いが無駄ではなく、これから始まる何かに必ず繋がると信じてください。
舞台に立つことを怖がらず、まずは自分の手で楽器に触れることができる喜びを感じ、楽器と会話をしてください。
楽器と向き合えば向き合うほど楽器も私達の声に応えてくれます。
ヴァイオリン講師 橋本
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